そして優しい嘘を言葉に
スキー組のみんなが行ってしまうと、私は真実とさっき隆志先輩と登先輩が行った方へ向かった。



「あの2人、大丈夫かなぁ」

真実が、ボソッと言った。



「いつもの登先輩らしくないよね……ちょっと、心配だなぁ」

私がそう言うと、真実がクスッと笑った。




「何?」


「ううん。美雪に心配掛けてる、って分かったら、登先輩、無理してでも元気な振りしそうだなぁ……って思って」


「えっ、だって、いつもと違ったら、普通みんな心配するでしょ? 真実だって、心配してるじゃない」


「まぁ、それはそうなんだけど……相手にもよる、って言うか」



真実がそう言ったところで、足を止めた。

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