そして優しい嘘を言葉に
すると。

そのセリフを聞いた真実が、『ダダダダッ』と走って来て私の腕に抱き着いて、グイッと私を引っ張って登先輩から遠ざけた。



「私と隆志先輩は、全然、ラブラブなんかじゃありません! 登先輩と美雪を2人きりなんかさせないんだから! 美雪の事は、私が守ります!」



いや、あの、真実の気持ちは嬉しいけど……登先輩、私と2人だけの時は、いつもみたいにからかって『好き』って言ったり、さり気無くスキンシップ取ったりしなくて、むしろ少し距離を置く感じだから大丈夫なのに。



「まっ、と言う事で、みんなで入ろうか?」

隆志先輩が私達の様子を見て、クスクス笑いながら横を通り過ぎ、すぐ目の前にあるレストランへ入って行った。



そして、同じようにクスクス笑って、登先輩も入って行った。



あっ、さっきのセリフ……隆志先輩を挑発しているようで、実は真実をからかったのかな?

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