そして優しい嘘を言葉に
「そうですね。誰が最初に来るかなぁ~」

真実がそう言ったので、少しホッとしてた。



そうだよ、『みんな』居るんだから……大村さん、祥くん、お兄ちゃん、弥生ちゃん、希未、若本先輩……みんな一緒。

そう自分に言い聞かせながら、私はイスに座った。



「真実ちゃんも美雪も、明日はどうするんだ? 明日も見てるだけ?」

隆志先輩が私達に訊いてきた。



「んー、どうしようかなぁ……。私、小学校の時、スキー教室でうまく滑れなくて、同じグループだった友達に迷惑かけた事があるから、それ以来苦手で……」

真実がそう答える。



「だったら、俺が教えてあげるよ」

隆志先輩が、笑顔でそう言った。

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