そして優しい嘘を言葉に
えーと、どうしよう。



「あの、私、今回はマネージャーって事でどうでしょう?」

思わず思い付きで言ってみる。



「えっ?」

隆志先輩と登先輩が、ハモって訊いた。



「ほら、人数も多いし、バラバラではぐれちゃったら分からなくなりそうだから、みんなの連絡係として下で見てるよ、うん」



そうすれば、涼にスキーを教えてもらう事もないし。

それに……自分で滑るより、涼が滑っているところを見ていたいなぁ。



そう思って外に目をやった時。



「あれっ? あのウェア……大村さんじゃない?」

真実の言葉が聞こえた。



えっ? って事は、涼も居る?

思わず、ガラスの方に体を乗り出して、外を凝視する。

< 184 / 430 >

この作品をシェア

pagetop