そして優しい嘘を言葉に
なんか、ちょっと嬉しいかも。



ほんのちょっと、そう思ってから、今度はみんなの視線が気になった。

そして、みんなの方を見ようとした時。



「あの……小泉さんって、昔、水泳やってませんでしたか?」

急に登先輩が、確かめるように訊いてきた。



「あれっ、俺の事、知ってんの?」

小泉さんが、嬉しそうに訊き返した。



「知ってるも何も……未だに200m平泳ぎの高校新記録を破られていない、同じ種目をやっている人達の間では『最大の目標』ですよ、『小泉利明さん』の記録を破るのが」



ええっ! 

登先輩の言葉に、驚く。

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