そして優しい嘘を言葉に
「高校最後の高総体、もう少しだったのに全国大会に行けなくて、残念だったよな? 今度、俺の母校の大学に進学するんだろ? 俺、未だに大学のバスケ部に顔出してるから、よろしくな」

「えっ、そうなんですか? こちらこそ、よろしくお願いします!」



お兄ちゃんが嬉しそうにそう言うと、松本さんは今度は弥生ちゃんを見た。



「女子バスケ部の方は、君が来るのを楽しみにしていたみたいだよ、柴田弥生ちゃん」

「えっ? 私?」

「そう。俺らも、少しあっちで話しようか?」



松本さんが2階を指差して、お兄ちゃんと弥生ちゃんを見た。



「はい!」

2人してハモっていい返事をし、松本さんと3人で出て行った。

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