そして優しい嘘を言葉に
ポン

えっ?



気が付いたら軽く俯いて考え込んでいて、そんな私の頭の上に、涼の手が乗っていた。



「気にし過ぎ。逆に怪しいぞ、おまえの態度」

「だって」

「それより、今、何時?」



えっ?

このフロアにも時計があって、お互い見えるのに、どうして訊くんだろう?



「21時30分」

「3回目だよな」

「えっ?」

「この時間でも一緒に居られるのは」



あっ!

涼の言葉が嬉しくて、自然に笑顔になる。

< 207 / 430 >

この作品をシェア

pagetop