そして優しい嘘を言葉に
ん? あれ?



「2回だよね?」

「今日で3回目だろ?」

「初デートの時は、門限22時にしてもらったけど」



あとはいつも21時には帰宅させられてたもん。

『はぁ』と大きなため息の後、涼は私の頭に乗っている手で『ポンポン』と軽く叩いた。



「年越しの時、俺の部屋に居ただろう?」



……あっ!

祥くんが一緒だったし、年末年始で普段と違う雰囲気だったから、すっかり別枠になっていた。



「俺達が将来結婚したら、数年後、俺だけ結婚記念日覚えてて、何をしようかワクワクしているのに、おまえは忘れてて『今日って何かあったの?』……とか、言いそうじゃねぇ?」



涼は私の様子を見て、苦笑いで言った。

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