そして優しい嘘を言葉に
ビクッ

私は背中を向けていたから、誰なのか分からなくて、体が硬直した。



だけど、涼は一瞬驚いた顔をした後、視線をそっちに向けると、ホッとして再び笑顔になった。



涼の手が、まだ私の頭の上にある。

しかも、涼は少し私を覗き込むようにしていた。

普通の先生と生徒の距離では、絶対に有り得ない。



涼の手がそのままで笑顔って事は、私達の事を知ってる人?



私は振り返ろうとした。

その時。



「邪魔したかな?」



ドキッ

聞き慣れない声。

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