そして優しい嘘を言葉に
「数多くの女なんか、知らねーよ」

涼がさっきまでと違って、ボソッと呟くように言った。



「俺にとっては、おまえだけが『特別な女』なんだから」



ドキッ

絶対、酔ってる!



一緒に部屋で食事する時も、涼はいつも1~2杯飲むだけで、酔ったりした事は無かった。

だから、こんな涼は……初めて見た。

いつもの私をからかって言う言葉じゃない。



ドキン ドキン ドキン……



今まではどんなものか分からなかったけど……テレビや雑誌で見る『男の色気』って、今の涼みたいな感じなんだと思った。



ドキドキし過ぎて、涼を直視出来ずに、視線をそらした。


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