そして優しい嘘を言葉に
んー、もう我慢出来ない!



「あのっ」

私が思い切ってそう言うと、みんなが一斉に私を見た。



「東野美雪です。皆さんの事は、涼から話を聞いていたので、お会いできて嬉しいです! ふつつか者ですが、これからよろしくお願いします」

私は一気にそう言うと、深々と頭を下げた。



はぁ、言えた……。



挨拶出来て、満足して顔を上げると、みんなキョトンとしてこっちを見ていた。



えっ、私、何かやらかした?



思わず動揺して、救いを求めるように涼を見た。

視線が合うと、涼はいつもの包み込むような笑顔をしてくれた。



あっ、大丈夫なんだ。

涼の笑顔を見て、安心した。



すると。

< 232 / 430 >

この作品をシェア

pagetop