そして優しい嘘を言葉に
えっ、あの、せっかくみんなで話してたのに……やっぱり、私、邪魔しちゃったよね?



「涼、いいよ、私もう部屋に戻るから。みんなと久し振りに会ったんでしょ? 戻っていいよ」

私がみんなに聞こえないように小声で涼に言うと、涼は立ち止まって私を見た。



あっ、やっぱり、なんかいつもと違う笑顔。

と言うか、すごく嬉しそうな……見ているこっちまでとろけてしまいそうな、満面の笑み。

無邪気な子供みたい。



私がそう思っていると、涼が私の頭を撫で始まった。



「おまえ、ホント、優しいよなぁ。ぜってー誰にも渡さない……俺の美雪」



そのセリフの後、撫でていた手が止まったと思ったら……えっ、嘘、ちょっと。



「ああー!!! ズルイぞ、おまえ!」

松本さんと小泉さんの絶叫が、背中越しに届いた。

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