そして優しい嘘を言葉に
「涼?」

「んー?」

「酔ってるよね?」

「はーい、酔っ払いでーす」



えーと、そんな無邪気に認められても……。

家ではお父さんが酔っ払うまで飲まないので、どう扱っていいか免疫が無くて困ってしまった。



えっ?



私が考えていると、私の肩を抱き締めていた涼の腕が放れたけど、すぐに涼が居る方の左肩が重たくなった。

涼が私の肩に頭を乗せている。



「涼? 眠くなったの? 部屋に戻った方が、いいんじゃない?」



肩越しに、首を横に振った振動が伝わった。

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