そして優しい嘘を言葉に
涼の親友には紹介してもらったけど、他のみんなは私達の事を知らない。

こんなところ、誰かに見られたら言い訳出来ない。

でも……。



もう少しだけ、このままで居たい。



私は肩に乗っている涼の頭に、コテンと自分の頭をくっ付けた。



幸せだなぁ……。



「なぁ、美雪」

私が幸せに浸っていると、涼が呟くような声で呼んだ。



「なーに?」

「俺らの事、ここの居るみんなに話してしまわないか?」



えっ?



私は思わず、頭を上げた。

すると、涼も私の肩から頭を上げた。

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