そして優しい嘘を言葉に
「そっか……本当に、変わるんだ……」



分かっていた筈なのにね。

それでも心のどこかで、がっかりしている自分が居た。



「俺の方ばっかり2人の事を話していて、美雪の周りの人にだけナイショって、やっぱり不公平だろ?」



あっ、涼……私の心配をして、『みんなに話そう』って言ってくれてるんだ。

私は首を左右に振った。



「ううん、不公平とかそんなの関係無いよ。多分、私、怖いの」

「怖い?」

「真実と希未は、きっと私達の事を応援してくれると思う。でも……お兄ちゃんとか隆志先輩とか、もしかしたら、私が傷付くんじゃないかって反対しそうで……」



怖いのは『反対される事』じゃなくて、それがきっかけで『涼と引き離されてしまったら』……それが怖いの。

< 241 / 430 >

この作品をシェア

pagetop