そして優しい嘘を言葉に
「本当に……いいの?」

「ああ。これで、晴れてここに居るメンバーの前では、イチャつけるな?」

そう言って、涼は私を正面から『ギュー』って抱き締めた。



なんだか涼の方が嬉しそう。

私も涼の気持ちが伝わってきたのか嬉しくなって、涼の背中に手を回して、キュッと抱き締め返した。



「えへへ」

私が抱き締め返すと、涼がさっきの『無邪気な子供バージョン』で笑った声が、耳元でした。



その後、まるで本当はジタバタしたいのを我慢しているのか、涼は私を抱き締めたまま、まるでブランコのように前後へユラユラと動いていた。

時折、『ふふっ』とか『へへっ』とか、嬉しそうな笑い声がした。

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