そして優しい嘘を言葉に
真面目な話を急にしたから、『もしかしたら酔ったフリをしていたのかな?』って、ちょっと思ったけど……やっぱりまだ酔いは覚めていないみたいだね。



「美雪~、愛してるよぉ」



ちょっと語尾がのびているのは、酔っ払いの証拠?

私が思わず苦笑いをした時。



「あっ!」



前後に動いていた涼の動きが止まった。

そして、そのまま涼が固まった。



どうしたのかな?



「涼? どうしたの?」

不思議に思って、私がそう訊くと……。



「美雪?」



えっ?

私が背中を向けていた階段の方から、声がした。

この声は……。

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