そして優しい嘘を言葉に
呆然としながら、無言でゆっくり階段を降りて、こっちに近付いて来る弥生ちゃん。



よしっ!



私は覚悟を決めて、立ち上がった。

すると、私の後ろで涼も立った気配がした。



「目が覚めたら美雪が居なくて……すぐに戻るのかと思ったら、なかなか戻って来ないから、ちょっと心配になって来たんだけど……あの……」



弥生ちゃんが、私と後ろに立っている涼を交互に見ながら、そう言って私達のすぐ目の前に着くと立ち止まった。



言わなくちゃ。



大丈夫、弥生ちゃんなら分かってくれる。



大丈夫……。


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