そして優しい嘘を言葉に
えっ?

「弥生ちゃん、好きな人いるの?」



今まで、そんな素振りも見せた事ないのに……。

目の前で、弥生ちゃんが『フフッ』と意味ありげに微笑んだ。



うわっ、うわっ、気になる。



その時。



ポン

私と弥生ちゃんの頭の上に、涼の手が乗った。



「女子の恋バナは、長くなるんじゃないのか? 同室なんだから、部屋でゆっくりしろよ。こんな所でいつまでも話してたら、風邪ひくぞ?」



私はしゃがみ込んだままの姿勢で、涼を見上げた。

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