そして優しい嘘を言葉に
「ギブ?」

弥生ちゃんは私の様子を見ながら、楽しそうに言った。



「うん、分からない。誰?」

すると、弥生ちゃんは少しハニカむように俯いてから微笑み、上目遣いに私を見て言った。



「そのうち、美雪とは本当の姉妹になるかもしれないね?」



……。


えーと。


私と本当の姉妹になる……って事は、『お姉ちゃん』になるって事で……って、えっ?



「えーーー?! お兄ちゃーん?!」

「しーっ! 声が大きいよっ」



弥生ちゃんは冷静に自分の口に人差し指を当てて、私をたしなめた。

< 264 / 430 >

この作品をシェア

pagetop