そして優しい嘘を言葉に
「おばさんも毎年美雪ちゃんに渡そうと思って、準備してたのよ。今年は渡せてよかったわ」

私はその箱を両手で受け取った。



おばさん……私が直接会いに来るまで、ずっと待っててくれたんだ。

手の中の箱に、おばさんの愛情が詰まっている気がした。



「美雪ちゃん?」

顔を上げおばさんの顔を見ると、ニッコリと笑ってから、おばさんが言った。



「好きな人が出来た?」



ドクン



心臓が鳴った。



手が震え出した。

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