そして優しい嘘を言葉に
「大村さん」

「何?」

「涼、ただの二日酔いですかね?」

「えっ?」

「熱があったような気がする」



私の言葉に、大村さんは一瞬驚いた顔をした。

けど、すぐにいつもの笑顔で言った。



「あいつ、大学時代、38度の高熱だったんだけど『大事な試合だから』って、誰にもナイショで試合出て、最多得点取った経験があるんだよ」


「……えっ、38度で?」


「そう。結構、熱には強いから、多分、本当に二日酔いが辛いだけだと思うよ?」



長い付き合いの大村さんが言うんだから、そうなのかなぁ……。

でも、ちょっと心配。


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