そして優しい嘘を言葉に
「どう言う事? 私、聞き間違えたのかな? 今、『4月からも一緒の学校に通えるなんて』って聞こえた気がしたけど?」



私の言葉に、涼は眉間にシワを寄せた。



「私が『学校、変わるの?』って訊いたら、涼は『ああ』って言ったよね?」



私がそう言うと、大村さんが驚いて涼を見た後、私に視線を向けた。

そして、何も言わずに大村さんは部屋を出て行き、私と涼を2人だけにしてくれた。



「何が真実なの? 私、涼が何か話があるのは気付いていた。訊いても教えてくれないから、話してくれるのを待とうと思った。それでやっと聞けたと思った言葉は……嘘だったの?」



私はベッドで横になっている涼に近付いて、枕元の近くに置いてあったイスを座った。

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