そして優しい嘘を言葉に
本当の事が知りたい。

涼の気持ちが知りたい。



私がジーっと涼を見ていると、涼はチラッと私を見てから、視線をそらして天井をあおいだ。



「ねぇ、涼」

「俺が学校を変わったら」



私の言葉を遮るように、涼は口を開いた。



「伊藤と佐伯に、俺達の事を話す……そう言ったよな?」

「うん、そう思っていたよ?」

「変わらなかったら?」



……えっ?



「俺が来年度も同じ学校だったら……おまえは絶対、『誰にも言わない』って言うだろ?」


< 281 / 430 >

この作品をシェア

pagetop