そして優しい嘘を言葉に
~3月13日・アクシデント~
「……ちゃん? ……ゆきちゃん? 美雪ちゃん、聞いてる?」
あっ!
涼の事を考えていたから、ボーっとしてた!
「登先輩、ごめんなさい。ちゃんと聞いてなかった」
そう、今居るのはスキー場。
涼の体調も心配だし、話の続きがしたかったから、断ろうかと思ったんだけど……。
『せっかく来たんだから少し遊んでおいで? その間に涼の体調もよくなるかもしれないだろ? 美雪ちゃんもリフレッシュして来た方がいいんじゃないかな?』
大村さんにそう言われ、登先輩・若本先輩・弥生ちゃんも一緒にスキー場まで送ってもらった。
私も『少し気分転換した方がいいのかな』『涼は体調が悪いんだからお話は後で、少し休ませてあげた方がいいかな』と思って、初体験のスノボを登先輩に教えてもらう事にした。