そして優しい嘘を言葉に
基本的な事を教わって、リフトを使わないで行ける程度の緩い所で滑っていたけど、『1回低い方のリフトに乗って上から滑ってみよう』と言われ、自信は無かったけど上まで行った。



「そうそう、ゆっくりでいいから」

恐る恐る滑る私の後ろから、登先輩の声がする。



こんなスピードじゃ、歩いた方が早いよぉ。

でも、怖くてスピードを出せない。



途中、私達を避けるように、上級者の皆さんが滑り降りて行く。

皆様、邪魔してごめんなさい!



それでも、登先輩が根気強く丁寧に指導してくれるので、なんとか滑ってみよう……と言う気持ちにはなっていた。



その時。

私達のすぐ横を、誰かが猛スピードで滑って行った。

< 293 / 430 >

この作品をシェア

pagetop