そして優しい嘘を言葉に
うわっ、ビックリした!

驚いて上半身が、ビクッと動いた瞬間。



えっ、嘘っ、ヤダ!

今まで出していないスピードで、ボードが滑り出した。



ヤダヤダ、怖いよ!



「登先輩!」

「美雪ちゃん! 焦らないで、大丈夫だから! 怖かったら、お尻の方から転んで止まって!」



確かに教わっている筈なのに、頭の中が真っ白になっていて、どうして転ぶんだったかも思い出せない。

スピードが出過ぎて、曲がり方もどうしていいか分からなくなった。



うわっ、このまま真っ直ぐ行ったらスキー場から外れて、林の方に突っ込んじゃうよ!



怖い! 無理、止まれない!

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