そして優しい嘘を言葉に
「美雪ちゃん!!!」

ドンッ



もう数mでコースから外れる……と言うところで、体に何かがぶつかって、その弾みで林ではなくコース側の方に数m転がって止まった。



青空が目に入った。

私は今、ボードを装着している足を上げた状態で、仰向けで雪の上に寝転がっていた。



……と、止まったぁ。

ホッとして、呆然としていると。



「痛っ!」



えっ?

声がして、ハッとした。



声がした方を見ると、登先輩が私と同じように雪の上に転んでいた。

あれっ? あっ、どうしよう。



「登先輩、ケガ……」

眉の上のところから、血が出ていた。



どうしよう! どうしよう……私のせいだ!


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