そして優しい嘘を言葉に
「俺が無理に連れ出したのが原因で、責任は俺にあるんだから、当然の事をしたまでだよ。美雪ちゃんも疲れただろ? もう俺は大丈夫だから、部屋でゆっくり休んでいいよ」



登先輩にそう言われ、隆志先輩を見ると頷いたので、私はペコッとお辞儀をした。



「じゃぁ、そうします……失礼しました」



1人で部屋を出ると、安心したからか、急に体の力が抜けそうになった。



良かった……登先輩、大丈夫そうで。

それに、さっきの登先輩の口振りだと、お父さんの事も少し考え方が変化したみたいだったし……。



私はホッとしたら、涼の顔が見たくなった。

1階へ行くと、お医者さんを見送っていたのか、玄関の方から大村さんが戻って来た。

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