そして優しい嘘を言葉に
「いろいろとお騒がせして、すみませんでした」



私が頭を下げると、大村さんは笑顔を見せてくれた。



「お互いに、大事に至らなくてよかったよ」

「はい……あの、大村さん」

「涼は和馬から連絡をもらう前に、薬を飲んで寝てしまったから、今回の件は知らないで眠ってるよ」



涼の様子を訊こうとしたら、大村さんが察して教えてくれた。

寝てるのか……でも、会いたい。



「邪魔しないから、涼の傍に居てもいいですか?」



大村さんは笑顔で頷いてくれた。

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