そして優しい嘘を言葉に
「涼?」



起こしちゃったのかと思って、声を掛けてみた。

すると。



「俺はずっと傍に居るから……安心しろ、美雪」



えっ?



涼は、はっきりそう言ったけど目は閉じていて……その言葉の後、『スース―』と寝息が聞こえた。

まだ私の頭を、優しく撫で続けている涼の手。



涼ったら……夢の中でまで、私の事を心配してくれてるんだね?



そう思ったら、怖かった事とか、淋しい気持ちとか、心の中から消え去って……安堵感が心の中に満ち溢れた。



ありがとう、涼。


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