そして優しい嘘を言葉に
「涼? いつ起きたの?」

「30分前かな?」



30分前、って……。



「あの、もしかして、それからずっと起こしてた?」

「いや、起こし始まったのは今だから、割りとすぐに起きたよ」



……と言う事は。

「もしかして、涼……私の寝顔……」



私の言葉に、涼は一瞬首を傾げたけど、すぐに『悪戯っ子モード』でニッコリ笑った。



「寝顔? じっくり見させてもらったけど? と言うか……何度か見てるんだから、今更恥ずかしがるなよ」



えっ?

「なっ、何度か見てる、って……そんな、いつ」



だって、涼の部屋に居る時では無いし、学校でもそんな記憶は無いよ。

涼が、クスッと笑った。

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