そして優しい嘘を言葉に
私の言葉を聞いて、それまで私の頭の上にあった涼の頭が、私の右肩に移動した。



「……ありがとう……」



ドキン

耳元で囁くように呟かれた言葉に、心臓が音を立てた。



私は急に、夏休みが終わって学校で再会した後、あの海で涼が『何があっても、俺がおまえを守る』って言ってくれたのを思い出した。



そして、私も言ったよね……『私も涼を守るからね』って。


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