そして優しい嘘を言葉に
「涼、どうしたの? なんで笑ってるの?」

「熱はもう平熱になったから、大丈夫だって」

「……えっ? だって、まだ熱が出てから1日も経ってないでしょ? そんなにすぐに、治らないよね?」



私だったら2~3日位かかっちゃうよ。



「あー、俺の場合、風邪とかじゃないから。多分、疲れていたところで二日酔いになったからじゃねーかな、熱が出たの。寝て汗かいて、体から酒が抜けたら、熱も下がってたから」

「そんなもん、なの?」

「そんなもんなの、俺の場合は」



涼は掴んでいた私の手を、自分のおでこまで持っていき、ピタッとくっつけた。



「ほら、平熱だろ?」

……平熱かは微妙だけど、確かに朝に触れた時より、かなり下がっていたので、ホッとした。



あれ?

でも、そうしたら……。



「さっきの『熱が上がりそう』って、どう言う意味?」

確かに、そう言ったよね?

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