そして優しい嘘を言葉に
「後2年、なんとか乗り切って行けるよう、お互い気を付けような」

「うん」



私の返事と同時に、涼の腕にちょっとだけ力が加わった。



大丈夫だよ、涼。

なんの根拠も無いけれど……涼の腕の中に居ると、自然とそう思えるから、不思議。



ちょっとそのまま、お互いの存在を噛み締めるように、私達は黙っていた。

けど。



「なぁ、美雪」

涼がその沈黙を破った。



「何?」

「もし大丈夫そうだったらでいいから、今晩、みんなが寝た後……そうだなぁ、夜中の1時頃、また深夜の密会しないか?」

「えっ?」

「これから先、そんな機会もしばらくは無いだろうからさ」


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