そして優しい嘘を言葉に
「なーに、照れてんのよ~」

弥生ちゃんが楽しそうに言った。



「だって、弥生ちゃんが変な事、言うから……」

「事実でしょ? 私は卒業しちゃうから、そんな2人が近くで見れないのが残念だけど」

「いいよ、残念がらなくても! 知ってる人が見てると思うと、なんか恥ずかしいもん!」

「ふふっ」



弥生ちゃんは楽しそうに笑った。

でも。

急に真面目な表情に変わった。



「でも……沖野先生の気持ちも、なんとなく分かるなぁ」

「えっ?」



涼の気持ち?

弥生ちゃんが苦笑いをして、私をジーっと見た。


< 344 / 430 >

この作品をシェア

pagetop