そして優しい嘘を言葉に
「2人が今までのような学校生活を送っていれば、きっと無事に2年なんて過ぎちゃうよ。2年後にみんなが知って驚く顔を見られる特権が与えられた……と思えばいいんだよ」


「でも」


「その特権を持つ条件として、美雪が何か沖野先生の事で悩みがあった時、話を聞いてあげればいい……そう言う事にしよう?」



私は、ハッとした。

弥生ちゃんは遠回しな言い方をしたけど、『他のみんなに話せなくても、私が話を聞いてあげられるから安心していいよ』……そう言いたいんだ。

今までは、大村さんにしか涼の事を話せなかったけど、これからは弥生ちゃんにも話していいんだね?



「ありがとう、弥生ちゃん」

「いいの、いいの……その代わり、美雪も私に何かあった時は話を聞いてくれれば……ねっ、お互い様、って事だよ」



そっか、弥生ちゃんもお兄ちゃんの事、内緒にしているわけでは無いらしいけど、改まってみんなには話していないから、知っている人が居ないんだもんね。



弥生ちゃんと2人で、クスクスと笑い合った。


< 346 / 430 >

この作品をシェア

pagetop