そして優しい嘘を言葉に
「こんばんは」



あっ、やっぱり涼だ!



「あれっ? 涼? どうしたの、急に来たりして」

おばさんの驚いた声がした。



「ちょっと用事があって」

涼はあっさりと、そう答えた。



「ごめんね~、実は今からお客様が来るから、また今度にしてくれないかな?」

「今日じゃないとダメなんだ。お邪魔します」



うわっ、涼、ちょっと強引なんじゃない?



おばさんとのやり取りに私がそう思っていると、すぐに足音がして涼の姿が見えた。


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