そして優しい嘘を言葉に
「どうした、涼? これから来客があるんだけど」

おじさんが涼を見てそう言うと、涼はニッコリ笑った。



「知ってるよ」

そう言った後、涼は私を見て優しく微笑んだ。



「遅れて、ごめんな」

「ううん、大丈夫」

私がそう返事をすると、涼が私に近付いて来たので、私はソファから立ち上がった。



そんな私達を、おじさんとおばさんは目をパチクリして見ていた。



驚くよね、うん。

涼が私の隣に立った。



大丈夫かなぁ……ちゃんと、私達の気持ちが伝わるかな?

ちょっとだけ不安になったけど、涼が笑顔で軽く頷いたので、私はホッとしておじさんとおばさんを見て言った。





「おじさん、おばさん。あのね、私が今お付き合いしている、沖野涼さんです」




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