そして優しい嘘を言葉に
みんなが座ると、涼はテーブルの上にある私の分のコーヒーにチラッと視線を向けてから、私を見た。



「もらってもいい?」



えっ?

あっ、仕事が終わって慌てて来たから、ノドが渇いたのかな?



「うん」

私の返事を聞いて、涼はカップを手にして、2~3口コーヒーを飲んだ。



えーと……なんだか、おじさんの表情が怖いんだけど……怒ってる?

反対なのかな、私の彼が涼だと……。



「涼……おまえ、確か夏から、美雪ちゃんと同じ学校に働いてたよな?」

おじさんは涼をジーっと見たまま、低い声で言った。



分かった!

涼が生徒の私に手を出したと思っているんだ、きっと。


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