そして優しい嘘を言葉に

『もし反対されたとしても、最後には分かってくれると思うぞ?』

『美雪の幸せを考えてくれる人達だったら、俺達が幸せな事を分かってもらえれば、きっと大丈夫』



以前、旅行先で涼が言ってくれた言葉が、フッと頭の中に蘇った。



そうだったね……私、今、涼と一緒に居られて、幸せだよ?

涼と一緒なら、この先、何か辛い事があったとしても……きっと乗り越えられるような気がする。



涼は私の好きな包み込むような笑顔で、私の頭の上にポンと手を乗せた。

心の中が『ほわっ』と温かくなる。



ありがとう、涼。

いつも私が不安になると、涼がその不安を取り除いてくれるよね?



私は涼の笑顔につられて、自然に笑顔になれた。


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