そして優しい嘘を言葉に
お互いに僚二との関係を話した後、改めて罪悪感に捕われて『僚二の事を忘れられない。私が忘れたら僚二が独りぼっちになってしまう』と言った私。


でも、涼が『忘れなくていい。思い出にすればいい』……そう言って、私を縛り付けていた“罪悪感”と言う鎖を、少しずつ解きほぐしていってくれた事。




涼が話している間、おじさんもおばさんも黙って聞いていた。


私、今日は泣かないで報告しよう……そう思っていた。


だけど、涼の話を聞いていたら……出会った頃の涼の葛藤を初めて知って、それでも私を救ってくれた涼の大きな愛を改めて実感して、自然に涙が零れてしまった。


それに気付いた涼が無言でハンカチを差し出してくれて、その思い遣りが心に染みて、涙が止まらなかった。




涼は続けて話した。


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