そして優しい嘘を言葉に
「美雪ちゃんが、僚二が居なくなった罪悪感から俺達に会えなかったように……俺達は自分達から会いに行ったりしたら、僚二の事で傷付いてしまった美雪ちゃんの心が、いつまでも癒されないような気がして、会えなかったんだ」



……そんなふうに思われていたなんて……。



「だから、美雪ちゃんが会いに来てくれて、嬉しかった。付き合っている人が居ると知って、まぁ、ちょっと淋しくもあったけど、幸せになってくれるならいいと思った」



おじさんはそこまで言うと、顔を再び上げて、私と涼の顔を交互に見た。



「それなのに……相手が学校の先生で、公に出来ない関係だなんて……本当に、幸せになれるのか?」



私はおじさんの気持ちが嬉しかった。

昔から可愛がられていたのは分かっていたけど、そこまで大切に思っていてくれたと言うのを、今の話を聞いて改めて実感した気がする。


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