そして優しい嘘を言葉に
「おじさん、おばさん、ごめんなさい。


そう思っていたのは確かだけど……でも、心の奥の方では、やっぱり淋しくて、辛かった。


ずっと出口が見付からない真っ暗闇の迷路の中で、必死に出口を探し求めていたような気がする。


そんな時、涼に出会ったの。


そして、まだ僚二の事を話していないのに、『心に何を抱えているのか分からないけど、俺が傍についてるから、辛くなったら頼れよ?』って涼が言ってくれて……。


私、僚二が居なくなってから泣かないようにしていたのに、その言葉を聞いて涙が止まらなくなった。


本当は誰かにそう言って欲しかったんだと思う……もう1人でその思いを抱えていくのは、多分、限界だったんだと思う。


それに涼が気付いてくれて、支えてくれる……そう言ってくれて……。


その言葉は私にとって、暗闇の迷路の出口を指し示す希望の光になったの」


< 384 / 430 >

この作品をシェア

pagetop