そして優しい嘘を言葉に
涼がずっと握っていてくれた手を、私は無意識に『キュッ』と握り返していた。



すると。

おばさんが静かに、こっちを見た。



「2人の事を知っている人って居るの?」



えっ?



「祥と俺の親友には話して紹介したよ。後、美雪の幼なじみの弥生……その位の筈。気付いていても黙ってくれている人も、中には居るかもしれないけど」

おばさんの質問に、涼が答えてくれた。



「そうよね……今はまだ、仕方無いわよね」



あれっ?



「おばさん? あの……」



随分と穏やかな感じなんだけど?

おばさんがちょっと首を傾げて、クスッと笑った。


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