そして優しい嘘を言葉に
「おじさん?」

私が呼ぶと、おじさんは腕組を止めて、やっと表情を和らげ、苦笑いで私を見てくれた。



「美雪ちゃんの幸せそうな笑顔を見ていたら、俺が何も言える訳ないじゃないか」



おじさん……。

おじさんの言葉に、涙がジワッと込み上げてくる。



分かってくれた!

私達の事……認めてくれたんだ!



おじさんが、手を『クイクイ』と動かして、私に『おいで』って言っている仕草をした。

私は不思議に思いながらも、席を立っておじさんに近付くと、おじさんは私の手首を掴んで絨毯の敷いてある床に座らせた。



おじさん?

思わず首を傾げると。



「今まで、よく頑張ったな?」

そう言って、おじさんが私の頭を『よしよし』と言う感じに撫でてくれた。


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