そして優しい嘘を言葉に
おじさんは『大丈夫だよ』って言う感じで、抱き締めながら私の頭を何度も何度も撫でてくれた。

おじさんに『よしよし』をされると、昔、まだ僚二が居た頃の幼い自分に戻ったみたいで、なんだかちょっと懐かしくなった。



おじさんが言うんだから、きっと僚二も……分かってくれるよね?



「ありがとう、おじさん」

私がおじさんにそうお礼を言うと。



「もう、いいだろ? おじさん、美雪」



えっ?

さっきとは打って変わって、不機嫌そうな涼の声がして、私はおじさんから離れて涼を見た。



すると、涼は私がさっきまで座っていたソファを『ぽんぽん』と叩いた。


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