そして優しい嘘を言葉に
うわっ、なんか話が予想していない展開になってるんだけど?

私が慌てて涼の腕を叩くと、やっと涼は私を解放してくれて、それと同時におじさんからそっぽを向くような素振りをした。



「俺が美雪を傷付けるような事、する訳ないだろうが……」



涼!

その言葉は嬉しいけど、そんな拗ねた口調で言ったら、おじさんが……。



バンッ

おじさんがテーブルを両手で叩いて、立ち上がった。



「涼! なんなんだ、そのガキみたいな態度は! そんなガキには、うちの娘を安心して任せられないぞっ!」



あっ、おじさん、本当に私の事『うちの娘』って言ってるんだ。

興奮してるおじさんの言葉を聞いて、おばさんが以前こっそり教えてくれた事を思い出した。



すると。

涼もスッと立ち上がった。


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