そして優しい嘘を言葉に
「残念でした~。美雪はそんなガキの俺も含めて、俺に惚れてるんだから、いいんですー!」



もう!

涼ったら、ケンカ腰で話さないでよ!



私も立ち上がって2人の間を取り持とうかと思ったら、苦笑いしているおばさんが『くいくい』って私に手招きしていた。

上で話しているおじさんと涼の下を、クロスする形でおばさんに顔を近付けると、おばさんも寄って来て、小さな声でコソッと言った。



「ほっといていいから」

「えっ? でも」

「いつものコミュニケーションで、そのうち落ち着くから」



えっ? そ、そんなもん、なの?

おばさんはそれだけ私に教えると、再び何も無かったように座って、お茶を飲んでいた。



よ、余裕だね、おばさん。

私はちょっとハラハラしていたけど、おばさんの真似をして、2人を見守る事にした。


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