そして優しい嘘を言葉に
急にクラス中がザワザワし始めた。



「えー! 先生、『ペアエプロンの彼女』とは別れたの?」

「振られたんですか? 振ったんですか?」

「じゃぁ、私が新しい彼女に立候補しようかなぁ♪」



別れてないよ。

振ってないし、振られてもいないよ。

私が居るんだから、立候補なんかしないでよ……。



みんなの声に、そう答えたくなる自分が居た。



ダメだよね。

涼が私を守ってくれるように、私も涼を守りたい。

だから、これ位の事で、一々傷付いてちゃ……ダメ。



「あのなぁ」



ドキン



涼の一言で、ザワザワしていたクラスが静かになった。


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